朝のニュースで流れていたが、ネット配信ツール「eMule」を利用して、共有フォルダに配置した児童ポルノ画像が、世界に配信される事を認識しつつ所有した（提供目的でファイルを置いた）ということで、和歌山県の団体職員と、広島県の会社員が逮捕された。
もちろん画像は、実際の女児で、明らかな犯罪行為である。なんだ逮捕出来るじゃん。現行法でもやる気があれば充分取り締まれるではないか。
インターポールから画像の流出情報を知らされて動いた形だけれど、いつも海外から言われてから動くというのは、どうかと思う。それだから単純所持禁止反対派から第３回「児童の性的搾取に反対する世界会議」を前にしたデモンストレーションで、単純所持禁止の法解釈拡大に利用しようとしていると言われても仕方なさそうだし、そういう声がいまにも聞こえてきそうなのである。
世界の児童ポルノの取り締まりについて、私なりに言わせてもらえば、当局の捜査手段の充実には、単純所持禁止は効果が薄いと思うのだ。もうひとつしっくり来ない。
どうして、拳銃、麻薬の売買、児童ポルノ摘発のために限定した盗聴や、おとり捜査はダメなんだろう？あらたのは、当局関係者ではないので、この辺の事情をご存じの方は教えていただけたら有り難い。囮捜査の是非の議論は以前から長いようだ。
実際に売っている人を引っかけて捕まえる。児童ポルノに関して言えば、ネットでの流通を問題にしているようだけれど、撮影している人や、撮影する被写体探しをしている人を罠にかけて捕まえる。でいいのでは？もっとも効果の上がる方法だと思う。これこそ水際作戦だし。
これだけ、児童ポルノは悪だ悪だ！極悪だ！と叫ぶ人達がたくさんいるのに、持っている持っていないとか。見ている見ていない。とか、猥褻だ。いや、猥褻ではない。とか、いかにも非効率な話だと思う。なぜならそれらの議論はすべて製品、創作物を目の前にしてからの議論だからだ。
単純所持禁止の法制度化で、いままでに使ってきたエネルギーが勿体ないような気すらする。同じエネルギーを、児童ポルノ撮影についてのおとり捜査の合法、法制度化に向けて議論したらどうか？そうしたら困る人は実際に搾取している悪人だけのように思うけど。
もうひとつ重要なのは、囮捜査と、単純所持禁止が両方とも有効に立法化されると、大変恐ろしい事になるという事だろうか。。。囮捜査をきちんと整備する方向で、単純所持禁止をロールバックする必要もある。気に入らないヤツは誰でも捕まえる。ってなるし。難しいな。頭が痛い。
児童ポルノの売買も含むかも知れないが、別件でクレジットカードのスキミングなどの犯罪をFBIは、囮サイト運営で56名検挙し大きな成果を上げている。
マイコミジャーナル-FBI運営の「犯罪情報交換サイト」、2年間のおとり捜査で56名を逮捕
また、同じくFBIは児童ポルノについても、クリックしただけで有罪になるサイトを開設して物議を醸した。児童ポルノの「だましリンク」で逮捕、FBIが新手のおとり捜査を実施としてネット上にも紹介されているが、こちらは行き過ぎた捜査との意見もある。
ネット上の行き過ぎた捜査。というのは、おかしな事だがデザインに依存しそうな気がする。クリックの位置や、表示方法、提供媒体（WEBかメールかなど）内容によって、妥当かどうかが評価される事だと思う。いままでの警察力ではまかなえない能力を問われているようで、警察も現代社会では益々大変だなと思う。
最後に忘れてならないのは、児童の人権は世界であまねく全員同じ重さなのだ。こうしている間にも、飢えで死ぬ子がいる。災害で死ぬ子がいる。児童ポルノの被害者と、天秤に掛けたり、後先を論じているのではない。同じ重さなのだと言い続けたい。搾取は世界全体で起きているし、搾取の対象は常に弱い者。女性、児童である。
１万数千年(?)続いている男性優位社会を見直すときがきているのかも知れないが、それならそれで、女性と男性はもっと真摯に対話するべきであろうし、男性は対話上手にならないといけないのだろう。女性も感性だけで物事を判断してはいけないと、あらたのは改めて思った次第。
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